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2023-11-24

健常者のiPS細胞を使った子宮頸がん治療が治験へ

がんは免疫の低下で起こる免疫の病気です。

患者ではなく他人の免疫細胞を利用

順天堂大学では健常者の免疫細胞を利用して、子宮頸がんの治療を行う治験を計画しています。健常者からヒトパピローマウイルスに感染した細胞を攻撃する免疫細胞(CTL)を採取し、それを元にiPS細胞を作ります。このiPS細胞から作ったCTLは、ヒトパピローマウイルスに感染した細胞への攻撃性が高く、さらに遺伝子を改変することで、他人の細胞を投与した際の拒絶反応を軽減出来るようになります。がんは免疫の病気です、免疫が十分に機能していれば、がん細胞が作られた時点で、迅速に排除されるのですが、老化やストレス、感染症などで免疫が低下すると、がん細胞はその監視を逃れて、分裂・増殖を繰り返していきます。また、がん細胞は様々な手段で免疫を抑制し、がんが進行するにつれて、その傾向が強くなります、従って、免疫を回復させてやることで、がんの進行を食い止め、さらには制圧しようというのが、近年のがん治療の考え方です。免疫細胞を人為的に強化するという治療は、既に取り組まれていますが、問題は患者自身の免疫が低下していると、たとえ強化したとしても免疫細胞の質や量が不十分だということです。この順天堂大学の治療は、健常な他人のの免疫細胞を使うということに意味があります。

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