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2023-01-06

米国では薬価4億8300万円超の遺伝子治療薬が承認


バイオ医薬品は薬価が高騰しがちです。

正常な遺伝子を送り込んで補完する

昨年11月、米国では血友病Bの遺伝子治療薬が承認されました。血友病Bは、遺伝性の病気であり、血液を凝固させる蛋白質が生まれつき作れないため、怪我などで出血した場合、それを止めることが出来ません。そこで、ウイルスベクターを利用して、血液を凝固させる蛋白質を作り出す遺伝子を肝臓に送り込み、体内で作れるようにします。このように遺伝子に原因のある病気に対して、人為的に正常な遺伝子で補完するのが遺伝子治療です。これはがんにおいても開発されています。がんは、遺伝子の異常が重なり、無限かつ無秩序に細胞が分裂と増殖を続ける病気なので、それを食い止める遺伝子を送り込むことで、発症や進行を食い止められるというわけです。そして、今回、承認された血友病Bの遺伝子治療薬は、薬価が1ドル138円で計算すると4億8300万円超。新薬の主流がバイオ医薬品になりつつある中、新薬の開発費は高騰の一途にあるとはいえ、かつて高額と批判されたオプジーボの当初の薬価や、初のCAR-Tとして承認されたキムリアですら3000万円代ですから驚くしかありません。

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