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2022-03-07

レンビマとキイトルーダの併用が進行腎細胞がんに対して承認


標準治療において化学療法の基本は抗がん剤でした。

化学療法の新しい組み合わせ

分子標的薬「レンビマ」と免疫チェックポイント阻害剤「キイトルーダ」の併用が、根治切除不能、または転移性の腎細胞がんの一次治療として承認されました。標準治療においては化学療法の基本は長らく抗がん剤でした。抗がん剤は直接がん細胞を攻撃しますが、がん細胞だけを攻撃するわけではありません。がん細胞が分裂を頻繁に行う性質に着目し、分裂中の細胞のDNAを傷害します。従って、正常細胞でも分裂中であれば影響を受け、特にがんを制圧する上で重要な免疫細胞もダメージを受けるため、標準治療だけでは進行したがんを完治することが困難な原因になっていました。これに対して分子標的薬は、がん細胞が特異的に発現する蛋白質を目印に作用し、その働きを抑制することで、増殖を食い止めます。また、免疫チェックポイント阻害剤は、がん細胞が免疫細胞を邪魔している状態を解除し、回復させた免疫でがん細胞を叩きます。ただ、従来の標準治療のガイドラインでは分子標的薬の多くは免疫を低下させる抗がん剤との併用であったり、免疫チェックポイント阻害剤は抗がん剤が終了した後の適用であったりと、その性質を活かし切れているとはいえない部分がありました。治療の最初からがん細胞を効率よく攻撃し、免疫の力でがんと闘う──分子標的薬と免疫チェックポイント阻害剤の併用はそんな新しい組み合わせといえます。

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