toggle
2020-12-21

iPS細胞を使ったがん治療、最初の治験が終了


NKT細胞は、がん細胞に対して高い攻撃力のあるNK細胞と、培養が容易なT細胞の両方を性格を兼ねています。

頭頚部がんに対して治験が行われていた
NKT細胞は、NK細胞とT細胞の中間の性格を持つ免疫細胞です。NK細胞は、活性が高ければ、どんながん細胞でも迅速に認識し攻撃しますが、培養が極めて困難です。T細胞は、免疫細胞のうち、数の面では多数を占めますが、攻撃する対象が決まっており、目の前にがん細胞があっても、攻撃する確率は極めて低いのです。両者の中間的な性格であるNKT細胞は、がん細胞に対してある程度の攻撃力があり、培養もNK細胞ほど困難ではありません。ただ、極めて数が少ないため、様々な細胞に分化出来るiPS細胞を利用して、大量に培養する方法が考案されました。患者のNKT細胞を採取し、そこからiPS細胞を作成し、再度、NKT細胞に分化させ、大量に培養します。千葉大学と理化学研究所のグループが開発したこの治療は、こうして大量に培養した患者のNKT細胞を、点滴で体内に戻します。先日から千葉大学医学部附属病院で頭頚部がんでの治験が行われていましたが、最初の患者が無事に治療を終えて退院したという発表がありました。

Share on Facebook0Tweet about this on Twitter0
関連記事