2021-06-15
がんワクチンとはどんなものか?
世間では新型コロナウイルスのワクチン接種が話題になっていますが、がんにもワクチンが使われることがあります。
ワクチンは免疫を刺激する
ワクチンは、排除すべき異物を抗原として認識させることで、免疫を刺激し、感染や感染に伴う症状を予防するものです。がんは、そもそも免疫が十分に機能せず、異物である癌細胞が生き延びて、大きながんに成長した結果です。そこで、患者の免疫を回復させて、がんを叩くため、「ワクチン」と呼ばれるものが使われる治療があります。
患者自身のがん細胞を利用するワクチン、しないワクチン
昔からあるのは、患者のがん組織の一部を使うものです。がん組織の一部をそのまま使う場合もあれば、患者自身の樹状細胞を培養し、抗原として認識させた上で使う場合もあります。近年、研究が進んでいるネオアンチゲンも、がん細胞を遺伝子レベルで解析し、抗原となるペプチドを特定します。この場合、問題になるのが、手術などの際にがん組織を入手する必要があります。リキッドバイオプシーといって血液などからがんの性質を明らかにする手法が進化していますが、まだ十分とはいえません。このネオアンチゲンの場合、ワクチンとしては人工のペプチドを使用します。その他、結核菌の成分を無毒化して用いる丸山ワクチンなどがあります。
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