2021-05-17
古典的な解熱鎮痛剤が大腸がんの発症を抑制
アスピリンといえば市販薬としてもお馴染みで、発熱や頭痛の際によく用いられます。
ポリープは腺腫からがんに移行
解熱鎮痛剤として長い歴史のあるアスピリンは、血栓を出来にくくする薬としても処方されますが、大腸がんのリスクを下げるという研究報告もあります。京都府立医科大学のグループは、このアスピリンによる大腸がん予防の研究を続けており、1日100㎎の低用量アスピリンの服用が、大腸のポリープががんに移行する過程である家族性大腸腺腫の増大を、優位に抑制することを発見しました。家族性大腸腺腫症は、60歳頃までにほぼ大腸がんを発症し、標準治療は20歳頃の大腸全摘出とかなり負担の大きい手術です。しかし、アスピリンを8か月服用することで、腺腫の増大リスクが約6割下がることが明らかになっています。アスピリンの抗炎症作用が、がん細胞のアポトーシスを回避しようとする仕組みや、がん細胞が分裂・増殖する因子を阻害するのではないかと考えられています。
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