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2021-03-12

ステージ4の大腸がんは、無症状なら原発巣を切除すべきでない


切れるがんは切るのが基本ですが、手術にリスクやデメリットがある場合はあります。

症状を予防するための手術がある

がんが進行して遠隔転移している場合、一般的に根治を目的とした手術は出来ません。 基本は化学療法(抗がん剤、分子標的薬の投与)が行われます。大腸がんにおいては原発巣と転移巣の両方を切除出来る場合は、手術が推奨されますが、それは極めて限られたケースです。但し、出血や狭窄などの症状がある場合は、原発巣を切除する姑息手術を行うことはあります。また、特に症状がなくても、将来の出血や狭窄を予防するため、或いは原発巣に多いがん幹細胞を減らして、進行を食い止めるために、原発巣を切除することは行われてきました。この是非については長らく議論されてきましたが、2012年~2016年にかけて我が国の38の医療機関の165の症例について調べた結果、遠隔転移して手術が出来ず、原発巣に症状が見られない大腸がんについては、化学療法単独に対して化学療法と原発巣切除が生存率を改善しないことがわかりました。また、原発巣の切除を行った場合、化学療法の副作用や合併症が起こり易くなることも明らかになっています。

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