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2020-11-16

がん遺伝子パネル検査を標準治療の最初から使うための取り組み


がん遺伝子パネル検査が保険診療で受けられるのは、標準治療が終了した患者や希少がんの患者に限られます。

遺伝子の変異によって分子標的薬を選択
がんは遺伝子の変異で異常な細胞が作られ、それが繰り返された結果です。標準治療は部位別に治療が確立されていますが、それではがんで亡くなる方がなかなか減らない現状を受け、がんを遺伝子という観点から治療しようという取り組みががんゲノム医療です。がんの発生に関連する遺伝子を調べて、効果のありそうな分子標的薬を探し出す遺伝子パネル検査は、FoundationOne CDx がんゲノムプロファイルとOncoGuide NCC オンコパネルシステムが保険適用になっています。但し、保険診療で出来るのは標準治療が終了した患者や希少がんの患者に限られるという問題があります。

効果の期待出来る治療を、早期から行える
国立がん研究センターは先進医療としてこのがん遺伝子パネル検査を最初の化学療法から行うことに取り組んでいます。最終的には標準治療の最初から使えるようにすることで、早期に効果の期待出来る分子標的薬を処方出来るようにすることを目指しています。また、タブレクタやロズリートレクなど一部の分子標的薬を使う際には、FoundationOne CDx がんゲノムプロファイルによって遺伝子の変異を調べる必要がありますが、1次治療として処方する場合には、検査の診療報酬が5万円に対して検査会社への支払が約42万円になり、差額が医療機関の持ち出しとなるため、なかなかこれらの分子標的薬を処方しづらいという状況がありました。こうした状況の改善も期待されています。

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