近赤外線でがん細胞を効率よく叩く光免疫療法の治験が進められてきましたが、それに使われる薬剤が厚生労働省から承認される見込みです。年内にも保険適用の可能性が出てきました。
システムは医療機器として既に承認
光免疫療法は、近赤外線に反応して発熱する色素を、抗体を利用して、がん細胞に送り込み、そこに近赤外線を照射することで、内側から破壊します。がん細胞を効率よく叩けることから、実用化が待たれていました。現在、国立がん研究センター東病院(千葉県柏市)などで治験の最終段階が行われていますが、今月に入って、光を照射するシステムが医療機器として厚生労働省から承認され、4日には薬剤(セツキシマブサロタロカンナトリウム)の承認についても薬事・食品衛生審議会医薬品第2部会が了承しました。これによって年内に保険適用となり実用化される可能性が出てきました。対象となるのは切除不能、再発の頭頚部がん。頭頚部がんは抗がん剤が効きづらく、また部位的に手術が難しいがんです。新しい治療を心待ちにしている患者は多いのではないでしょうか。
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