2020-06-29
がん患者が栄養制限をすることの是非
ケトン食でがんが治った方もいれば、栄養制限で免疫が落ちて、症状が悪化した方もいます。がん患者の治療として栄養制限には賛否両論あるようです。
断食模倣で抗がん剤の効果が向上
がんをはじめ難病の治療として断食は昔から試みられてきました。また、近年では糖質制限の流行を背景に、がんのエネルギー源である糖質をカットすることで、進行を抑制出来ると主張している方がいます。また、一部の医師はケトン食を推奨しています。とはいえ、糖質を制限すると、体温が低下し、がんと闘う上で不可欠な免疫が弱くなることは否定出来ません。賛否両論ある中、興味深い論文がNature Communicationsという学術誌に掲載されました。ステージ2~3の乳がんでHER2陰性(分子標的薬「ハーセプチン」が使えない)の患者129名に対して手術前にがんを縮小させるために抗がん剤を投与する際、通常の食事と絶食を模倣した食事をとらせた群で比較したところ、絶食を模倣した食事をとらせた群のほうが、抗がん剤の効果が高かったそうです。絶食というと水分以外にはほぼ何もとりませんが、体への負担が大きいため、この研究では低カロリー、低蛋白質な食事を用意しています。
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