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2016-10-31

がんの手術に導入が進む手術ロボット

old classic tin robot toys

作業によっては人間よりも優れた能力を発揮する機械。手術の分野においてもロボットの導入が進んでいます。特に前立腺がんの患者にとっては幾つものメリットがあります。

元ボクシング世界王者もダ・ヴィンチで手術
職人の技といわれるような分野でも、機械のほうが人間よりも優れていることが多くなりました。がんを始めとする外科手術の領域でも手術ロボット「ダ・ヴィンチ」の活用が進んでいます。ステージ4の膀胱がんから生還した元ボクシング世界王者の竹原慎二さんも、膀胱を摘出する手術の際に、このダ・ヴィンチによる手術を受けたそうです。患者の体への負担も少ないといわれるこのダ・ヴィンチについて紹介しましょう。

Leonardo da Vinci
米粒に毛筆で字を書ける
天才として知られるレオナルド・ダ・ヴィンチに因んで名づけられたこの医療ロボットは、小さな穴から胸腔、腹腔内にアームとカメラを入れ、患部を映像で確認しながら、手術を行います。複雑かつ精密な作業を正確に出来る上に、目視では不可能な角度からの視野が確保出来ます。手ぶれを補正する機能があり、米粒に毛筆で字を書いたり、一円玉より小さな折り鶴を作れるほどです。通常の手術よりも少ない出血や痛み、小さな傷で済むため、回復が早くなります。前立腺がんについては健康保険適用となるため、症例が多いのですが、通常の手術ではしばしば問題になる排尿や性機能の障害についても、神経を温存しやすいため、起こりにくいのです。

前立腺がんには健康保険適用
世界では既に28万を超える臨床実績がありますが、我が国でも積極的に導入されています。2012年には前立腺がん、その後に腎がんの一部に健康保険が適用されるようになりました。現在、国内で200台以上が大学病院などで使われています。今後、健康保険の適用が拡大され、様々な手術に用いられるようになってほしいものです。

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