2019-07-18
武田薬品工業がiPS細胞を使ってCAR-T開発
CAR-Tは、キムリアが国内でもはじめて承認されましたが、国内の製薬会社も注力して開発に取り組んでいます。
iPS細胞を使うことで、コストと時間を圧縮
製薬会社大手の武田薬品工業は、次世代のがん治療薬の柱として12種類のCAR-Tを開発しています。CAR-Tは、患者のT細胞(免疫細胞の一種)を遺伝子改変し、がん細胞への攻撃力を高めたものですが、オーダーメイドとなるため、高額になるのが難点です。はじめて承認されたキムリアは米国で5000万円超、国内でも3300万円超とう法外な薬価が話題になりました。
今回、新たに武田薬品工業が手がけるのは、様々な細胞に分化するiPS細胞を使ったCAR-Tです。健常者のiPS細胞を使うことで大量生産を可能にし、大幅なコストダウンを狙っています。また、現状のCAR-Tは患者のT細胞を採取して、遺伝子の改変と培養というプロセスを経なければなりませんが、既製品として提供出来れば、がん患者にとって貴重な時間を節約することに繋がります。問題は他家移植による拒絶反応をいかに克服出来るかになると思いますが、今後に期待したい取り組みです。
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