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2019-04-15

「全身がん」高須克弥医師の状態とは?

転移・再発したがんは細胞の単位で全身に散らばっています。

免疫細胞療法と分子標的薬による治療を併用
「全身がん」を公表している高須克弥医師が、体調を崩して入院したことが話題になっています。医学的には「全身がん」という病名はありませんが、一体どのような状態なのか、またどのような治療を行っているのかを考えてみます。高須医師は、2014年に尿管がんが見つかり、手術で取り除いたものの、一昨年に再発し、現在は免疫細胞療法と分子標的薬による治療を受けているとコメントしています。

抗がん剤による全身療法は免疫を低下させる
手術や放射線で目に見えるがんを取り除いても、再発・転移したがんは全身に細胞単位で散らばっています。先日、亡くなった女優の樹木希林さんは、全身にがんが転移した状態でしたが、高須医師の場合はがん細胞が散らばっている状態を、「全身がん」と表現しているのではないでしょうか。そこをいかに抑え込んでいくかが、全身療法の役割ですが、標準治療では一般的に抗がん剤が用いられます。しかし、抗がん剤はがん細胞だけでなく免疫細胞にも打撃を与えますから、がん征圧の要である免疫を低下させ、かえってがんの勢いを増したり、感染症を起こしたりというリスクがあります。恐らく高須医師は免疫の重要性を認識した上で、自分の免疫細胞を体外で培養して増強する治療と、がん細胞に集中的に作用し、免疫細胞の活性も上げてくれる分子標的薬を併用しているのではないでしょうか。

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