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2019-04-19

キイトルーダを遺伝子異常に応じて希少がんに

キイトルーダは特定の遺伝子の異常が認められれば、がんの種類を問わず使うことが出来ます。

昨年12月、キイトルーダの保険適用が拡大
免疫チェックポイント阻害剤「キイトルーダ」は、昨年12月、保険適用の拡大によってがん細胞に遺伝子の複製ミスを修復する機能の低下が確認されれば、部位を問わず使用出来ることになりました。従来、がん治療薬は部位別に保険適用が承認されていましたが、がんは遺伝子の異常で発症する病気であり、その原因から治療を選択しようというがんゲノム医療の流れを受けての適用拡大です。

治療の選択肢が少ない希少がんの患者には福音
国際医療福祉大学三田病院では希少がんである肉腫の患者にこの適用拡大に沿ってキイトルーダをはじめて投与したことを明らかにしました。希少がんは、患者が少ないので、個々の研究が進まず、治療の選択肢が少ないのが難点です。遺伝子の異常に応じて部位を問わずに使えるようになるのは、あるべき方向性といえます。因みに欧米ではがん治療薬の主流といえる分子標的薬は、国内では基本的に部位別の保険適用となっていますが、そもそも分子標的薬は遺伝子の異常によって特異的に発現する蛋白質を目印に作用します。間もなくがんゲノム医療が保険適用になりますが、遺伝子の異常に応じて有効な選択肢が見つかっても、それが保険適用ではないというケースは少なくないと思われます。キイトルーダに限らずこの部位を問わない保険適用を広げていってもらいたいところです。

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