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2019-03-01

CTLのがんへの攻撃力が低下していく仕組みを解明

免疫細胞の一種であるT細胞のうち、がん細胞などを攻撃するのがCTLです。

CTLの攻撃力低下に関係する遺伝子を確認
免疫細胞の一種であるCTL(細胞傷害性T細胞)は、がん細胞への攻撃を続けるうちに、徐々に疲弊して、働きが弱まっていきます。慶応義塾大学の吉村昭彦教授らのグループは、この仕組みを明らかにしました。攻撃力の落ちたCTLの核内には、Nr4aという蛋白質が作られており、この蛋白質を作る遺伝子があると、細胞表面に攻撃力を低下させる蛋白質が出来たり、がん細胞を攻撃する蛋白質の放出が少なくなったりすることを、マウス実験で確認しました。ヒトのがんを移植したマウスに、通常のCTLを投与したところ、90日後の生存率は0%でしたが、Nr4a遺伝子を取り除いたCTLを投与した場合は、70%が生存していました。この遺伝子を利用して、新たな分子標的薬の開発が期待されています。

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