欧米では既に承認されていた免疫チェックポイント阻害剤「テセントリク」が、国内でも非小細胞肺がんの治療薬として承認されました。
テセントリクとオプジーボでは作用する対象が異なる
免疫チェックポイント阻害剤「テセントリク」が国内で承認されました。対象となるのは「切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌」で、オプジーボやキイトルーダと同様です。異なるのは、オプジーボやキイトルーダが免疫細胞(T細胞)のPD-1に作用する抗体であるのに対して、テセントリクはがん細胞のPD-L1に作用することです。がん細胞は免疫細胞の攻撃から逃れて生き延びるために、様々なことを行います。そのひとつとしてT細胞の免疫チェックポイント(PD-1)にがん細胞のPD-L1という蛋白質を結合させて攻撃が出来ないようにしてしまうのです。
選択肢が増えれば、患者が助かる可能性も増える
この状態を解消するのが免疫チェックポイント阻害剤です。オプジーボやキイトルーダはPD-1にPD-L1よりも先に結合して、がん細胞にT細胞の邪魔をさせなくします。これに対してテセントリクはPD-L1のほうに結合することで、PD-L1がPD-1に結合出来ないようにします。ひと口に非小細胞肺がんといっても患者ごとに効く治療は様々です。多くの選択肢が出来れば、それだけ多くの患者が救われる可能性が増えることになります。免疫チェックポイント阻害剤は幾つもの製薬会社が開発を行っており、欧米では既に承認されて、国内での承認待ちの新薬もあります。
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