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2017-12-20

免疫細胞療法

私たちの体に備わった免疫は、がん細胞が生まれた時点で、速やかに発見・排除することが出来ます。しかし、様々な理由で免疫が十分に機能しなくなって、がん細胞が生き延び、大きな腫瘍に成長したのががんです。また、免疫抑制といってがん細胞は生き延びるために、いろいろな手段で免疫から逃れたり、免疫を妨害したりします。そこで、患者から採取した免疫細胞を、体外で活性を上げて増やし、再度体内に戻すのが免疫細胞療法です。1980年代にNIH(米国立衛生研究所)で臨床実験が行われたLAK療法が、免疫細胞療法の原点といわれており、抗がん剤が効かなくなった進行がんの患者に対して、一定の成果がありました。しかし、大量の採血と点滴を継続するため、患者への負担が大きく、腫瘍が急速に崩壊することで起こる副作用のリスクもあるため、実用化されることなく現在に至っています。現在、行われている免疫細胞療法は、概ねこの延長線上にあるやり方ですが、十分な効果を求めるのであれば、免疫の要となるNK細胞の活性と量が十分であるかどうかが鍵となります。

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