toggle
2017-07-19

他人の臍帯血でがんは治らない

届出なしに他人の臍帯血を患者に移植していた医療機関が、行政指導を受けていました。一部でがんが治るなどと宣伝されていますが、理論的に疑わしい上に、非常に危険な行為です。

悪質なところは告発の可能性が
他人の臍帯血を届出なしに患者に移植していた医療機関が、行政指導を受けたことが明らかになりました。中にはその後も継続して移植を行っていたところもあり、悪質な場合には告発される可能性があるようです。他人の臍帯血を移植する行為は第一種再生医療に相当し、事前に承認を受ける必要があります。これを怠ったわけですから、立派な違法行為といえます。

他人の幹細胞を体内に入れてどうなるか
もうひとつ、いやさらに問題なのはその危険性です。臍帯血移植ががん治療に有効だとしている医療機関の多くは、臍帯血に含まれる幹細胞が、様々な細胞に分化し、がん化した細胞や組織と入れ替わると主張していますが、理論的に納得の行く話でしょうか。それに他人の臍帯血を体に入れた場合、幹細胞がどのように変化するかなど、きちんとした検証など行われておらず、がんを治療するどころか、新たながんを作り出してしまう可能性すらあるのです。

悪質な治療が真っ当な補完医療まで駆逐する
進行がんは標準治療だけでは克服出来ません。エビデンスのある僅かな延命以上のことを望むなら、様々な治療を選択肢に加えて、治療を組み立てていく必要がありますが、このような技術もモラルもあったものではない治療が横行すると、まさに悪貨が良貨を駆逐し、真っ当な補完医療ですら十把一絡げに否定されてしまう流れになってしまいます。

Share on Facebook0Tweet about this on Twitter0
関連記事