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2017-06-15

オプジーボ、胃がんに対する治験が開始

 

オプジーボの胃がんに対する治験がはじまりました。抗がん剤などの治療を受けていない進行、再発胃がんが対象となっています。

オプジーボが早い段階から使えるようになるかも
様々な部位のがんに保険適応が進んでいるオプジーボですが、一気に使用が増えたのは、一昨年の暮れに患者の多い非小細胞肺がんに対して適応拡大になってからです。そして、肺がんと同様に患者の多い胃がんに対しても金沢大学附属病院と石川中央病院で治験がはじまりました。対象となるは抗がん剤などの治療を受けたことがない進行胃がん、再発胃がんの患者です。現在、非小細胞肺がんや腎細胞がんで保険適応となっているオプジーボですが、ファーストラインでは(最初から)使うことは出来ません。免疫を回復させる薬なのですが、免疫細胞にダメージを与える抗がん剤の後でしか使えないのです。この治験で効果が確認されれば、早い段階からの処方に一歩前進することになります。免疫を活かす治療としては望ましいことです。

オプジーボが効くがんははっきりしている
オプジーボは作用機序がはっきりしている薬です。がん細胞の発現するPD-L1が、免疫細胞のひとつであるT細胞の免疫チェックポイント・PD-1と結合し、がん細胞を攻撃出来ないようにしてしまう免疫抑制を解除するため、先回りしてPD-1に結合してしまいます。従って、がん細胞がPD-L1を発現していなければ、効果は期待出来ません。オプジーボと同様にPD-1抗体として作用し、ファーストラインから使えるキイトルーダは、PD-L1を発現していることが条件となりますが、オプジーボではこの制約はありません。効果のない治療は時間や費用の無駄遣いであり、特にオプジーボに関しては副作用のリスクだけが残ることになります。これからのオプジーボの治験ではそのあたりの検証も行ってもらいたいところです。

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