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2017-08-18

早期の肺がんに奏効するレーザー治療

 

がんのレーザー治療というと目新しく聞こえるかもしれませんが、既に20年以上前から保険適応になっている実績のある治療です。特に早期の肺がんには極めて有効です。

がん細胞が取り込んだ物質を、レーザーで活性化
米国で日本人の研究者が開発している光免疫療法が話題になっていますが、光学的な手段と薬剤を併用し、がんを狙い撃つ治療は、PDT(Photodynamic Therapy)が既に保険適応になっています。光に反応して化学変化を起こす物質を、あらかじめがん細胞に取り込ませておいて、そこに低出力のレーザーを当てると、活性酸素を発生して、がん細胞を破壊するのです。レーザーといっても熱さを感じない程度の強さですから、火傷などの心配はありません。あくまでもがん細胞が取り込んだ物質を活性化させるために用います。がん細胞に取り込ませる物質は、フォトフィリン、レザフィリンが使われており、これらはがん細胞に選択的に取り込まれるため、正常な細胞には影響が及ばないのです。

早期の肺がんの8割以上がPDTで完全治癒
PDTは1994年以来、肺がん、胃がん、食道がん、子宮頸がんに対して保険適用となっており、20年以上の実績があります。日本人に多く、また死亡率が高い肺がんについては、手術で肺を切除することで、体に大きな負担がかかり、予後にも影響しますが、PDTであれば肺を温存して、機能を維持出来るという長所があるので、有効な治療となりえます。特に早期の肺がんに対しては8割以上で完全治癒が報告されています。

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