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2017-03-28

14年間、食事療法で元気に生きる末期がんの料理人

末期がんで余命ゼロといわれながら、自ら考案した食事療法で、14年間も元気で生き続けている料理人の方がいます。

 

標準治療が奏効せず食事療法に
2002年、末期の前立腺がんとの診断を受けた料理人の神尾哲男さん。手術、放射線、抗がん剤といった標準治療を受けたものの、症状は改善せず、行き着いた答えは自らの仕事である食を通じて、がんと向き合うことでした。素材や調理法にこだわった料理を、自らの体で試し、末期がんと宣告されてから14年が経過した今でも、神尾さんは元気そのもの。レストランの現場からは退いたものの、後進の指導などを続けています。神尾さんはこうした経緯や自らのレシピをまとめ、昨年には『奇跡のシェフ』、先日『がんで余命ゼロと言われた私の死なない食事』を出版しています。

食事を見直せば、体は大きく変わる
医師から見離されたがん患者が、食事の改善などで余命を延ばしたり、場合によっては腫瘍が消えたり、劇的な回復をする例は多いようです。体は日々口にするものから作られます。これだけ豊かになった現代でも私たちは必要な栄養をバランスよくとれてはいないといわれます。また、添加物まみれであったり、野菜などの栄養価が昔より落ちていたりという問題もあります。食事を根本的に見直せば、体に大きな変化があるのは間違いないでしょう。

料理人だから食事療法を徹底出来たのでは
実は神尾さんが実践し勧めているのは、特別な食事ではありません。古来の日本食をベースにした体に優しい食事です。添加物や農薬を避けたり、旬の素材を選んだり、調味料を厳選したり……。そして、神尾さんの場合は料理人であったことが大きくプラスに作用しました。素材、調理法……徹底してこだわるのは、手間の面でも費用の面でもなかなか大変なことです。料理人であったから普通の方よりも徹底しやすかったのではないでしょうか。

食事の見直しと徹底することは学ぶべき
私たちの体は実に不思議です。健康な方が急に亡くなる場合もあれば、末期がんでも生き続けている方もいます。そして、がんという病気も例外ではありません。全てのがんは異なる病気といっても過言ではないのです。全ての患者に同じ食事療法が奏効するとはいいきれません。しかし、我が国では戦後の豊かさの中、飢えからは解放されても、食事の質は軽視されてきた部分があります。そこに目を向けること、そしてがんと向き合うからには、絶対に諦めることなく徹底するという意味では、大きな示唆に富んだ例ではないでしょうか。

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