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2017-03-01

がんになっても会社を辞めてはいけない

がんになると会社を辞めてしまう方が少なくありません。大病の治療に専念したいという思いは当然のことです。しかし、長い目で見れば、がんになっても、いやがんになったからこそ会社は辞めないほうがいいのです。

がんになると退職する方は少なくない
改正がん対策基本法では雇用主に対してがん患者の雇用継続に配慮するように求めています。がんという大病との闘いを前にして、自ら会社を辞めてしまう方は少なくないのです。「治療と仕事を両立できるのか」「休んだり時短をしたりするのは職場に申し訳ない」といった思いは患者にとっては切実。がんと闘うだけでも大変なのに、さらに余計なストレスを増やしたくないということで、一旦、退職してしまうのでしょう。

労働者に与えられた様々な制度
しかし、長い目で見れば、会社は出来るだけ辞めるべきではありません。職場の理解は必要になりますが、労働者に与えられた制度を活かして、治療と仕事を両立することをお勧めします。健康保険は会社員であれば、保険料の半額は会社が支払ってくれます。治療が長引いて休職した場合には、傷病手当金をもらえる制度もあります。労働者に保障された権利は堂々と行使してよいのです。会社を辞めてしまえば、以前の健康保険を任意継続することは出来ますが、保険料は全額自己負担しなければなりません。

一度、会社を辞めると、再就職は容易ではない
また、会社を辞めるということは、収入がなくなることを意味します。傷病手当金や雇用保険の給付金とていつまでももらえるわけではありません。体調や治療との兼ね合いはありますが、精神面でも生活の全てががん治療になるよりは、以前通りの生活も残しておくべきでしょう。最近では高濃度ビタミンC点滴など保険適用外ではありますが抗がん剤の副作用を軽減するような手段があります。そして、一度会社を辞めてしまうと、なかなか以前のような条件では再就職がしづらいのが、昨今の世の中。がん治療で退職したとなるとなおさらのことです。がんになっても会社は出来るだけ辞めてはいけないのです。

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