Home › がんと闘う › 【がん治療最前線】治療を中心に、患者目線で最新情報を配信 › 脳腫瘍を核酸で治す方法を、名古屋市立大学が開発 2016-12-27 脳腫瘍を核酸で治す方法を、名古屋市立大学が開発 膠芽腫は、治療が難しく、予後が思わしくない脳のがんです。この膠芽腫を核酸を利用して治療する方法を、名古屋市立大学の研究チームが開発しています。 膠芽腫の5年生存率は10%以下 膠芽腫は年間3000~5000人が発症しますが、脳腫瘍の中でも最も悪性度が高いといわれます。週単位で大きくなっていくのがわかるほど、進行が早く、脳という手術が難しい場所に出来ることもあって、発見後の平均余命は1年2か月ほど。5年生存率は10%以下といわれます。有効な治療法を考案することは課題となっていましたが、名古屋市立大学などの研究チームが新たな治療法を開発し、英国の科学雑誌の電子版で発表しました。 核酸の投与で膠芽腫が劇的に縮小 チームは、リボ核酸のひとつ「TUG1」がないと、がんの元になるがん幹細胞が死んでしまうことを突き止めました。そして、TUG1と結合して働かなくする核酸を合成し、膠芽腫のマウスに週2回、合計10回投与したところ、腫瘍が劇的に縮小し、特に副作用もないことを確認しました。名古屋市立大学の近藤豊教授は安全性を確認した上で、実用化を目指したいとコメントしています。 00 関連記事 26歳の若さで左の乳房を全摘した矢方美紀さん がんは細胞単位の病気、そして全身の病気 フチバチニブが米国で胆管がんの画期的治療薬に指定 免疫チェックポイント阻害剤の効果は、投与の時間帯によって変化 オプジーボの競合薬「キイトルーダ」、薬価も同等に 動脈を塞いで、がんを兵糧攻めにする手術 抗がん剤の副作用を軽減する天然成分「iGS4000」