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2016-08-30

大腸がん幹細胞の抑制に成功

Illustration of male large intestine anatomy

日本人に多い大腸がん。その再発や転移の原因となるのががん幹細胞です。国立がん研究センターはその働きを抑制する物質を開発しました。

再発と転移の元凶「がん幹細胞」
がんの再発や転移に大きく影響しているのががん幹細胞です。がん幹細胞には高い増殖能力と腫瘍を作る能力があるのですが、同時に抗がん剤などを外に排出したり、細胞を傷害する活性酸素を除去したりする仕組みを持っているため、姿を潜めて、長い間、生き延びることが出来るのです。抗がん剤などの化学療法の網の目を逃れたがん幹細胞は、やがて再発や転移の原因となります。

抗がん剤の効かない患者に新たな可能性が
8月26日の国立がん研究センターの発表によると大腸がんの90%以上で見られる遺伝子の異常を標的とする物質の開発に成功したそうです。この遺伝子の異常は大腸がんの幹細胞の発生に大きく関係しており、大腸がんの治療の鍵になるとして、以前から研究が続けられていました。この遺伝子の異常を標的とし、大腸がん幹細胞の働きを抑制することが出来れば、大腸がん完治への道が開け、抗がん剤が効かない患者にとっても、新たな治療の可能性が生まれることになります。既に臨床試験の前段階となる非臨床試験が行われており、実用化が進められています。

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