2020-10-15
希少がんと闘う少女のための募金活動からわかること
保険診療として行われる標準治療だからこそ、多くのことが出来て治療費の負担も軽く済みます。
希少がん、小児がんは、標準治療が確立されていない
沖縄県に住む10歳の少女が希少がんのひとつである腹膜悪性中皮腫と診断され、その治療のために支援者が募金を呼びかけています。抗がん剤治療の効果がなく、回復して中皮腫を切除し、さらに抗がん剤を投与する治療は保険適用外で500万円が必要であり、その後の治療を含め、2000万円が目標だということです。希少がんや小児がんは、症例が少なく、治験によってエビデンスを集めることが難しいため、標準治療が確立されていない、即ち保険診療で出来ることが限られています。手術が出来ても術後の化学療法が出来なかったり、化学療法の選択肢が少なかったり……。結果的に自由診療に頼るしかないのですが、一般的ながんであれば標準治療として当たり前に行っていることであっても、保険適用でなければ高額な費用がかかってしまいます。多くの方は、自由診療は高額で、保険診療である標準治療は安いと思っているようですが、実際には標準治療は決して安くありません。保険適用であれば一部負担で済み、さらには高額療養費制度で支払額に上限があるから、それを実感しないだけなのです。
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