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2026-03-16

風邪ウイルスを利用したがん治療薬が最終治験へ

風邪の症状を引き起こすアデノウイルスの遺伝子を改変し、がん細胞だけを狙い撃ちする治療薬は、次世代のがん治療薬として注目されています。

自然界に存在しないウイルスで、正常細胞は破壊しない

鹿児島大学の小戝健一郎教授らは、ウイルスを使ってがん細胞だけを破壊する研究を続けてきました。そして、2015年に発表したのが腫瘍溶解ウイルス「Surv.m-CRA-1」。風邪の症状を引き起こすアデノウイルスを遺伝子改変したものです。がん細胞に特異的に発現する蛋白質「サバイビン」に反応して増殖し、がん細胞を狙って感染することで破壊していきます。このウイルスは、がん細胞に感染した時だけ、スイッチが入り、がん細胞を破壊。自然界には存在しないため、正常細胞に感染しても、スイッチは入りません。

世界で2番目、日本初のがん治療ウイルスへ

2016年からの治験では希少がん「原発性悪性骨腫瘍」に対して局所投与で効果を検証していますが、抗がん剤の全身投与に対して副反応は軽度です。投与した患者9名のうち6名でがんの縮小が確認されました。次の段階では安全性や有効性を示唆する結果が得られ、2025年11月には最終段階に進んでいます。承認されればがんのウイルス治療としては日本初、世界でも2例目になるでしょう。

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