2024-05-10
CAR-Tの副作用を抑制する人工遺伝子が開発される
CAR-Tは効果がある程、副作用のリスクが生じます。
サイトカインシンドロームを引き起こすIL6を吸着、分解する
CAR-Tは、患者のT細胞の遺伝子を改変し、がん細胞への攻撃性を高めたもので、再び体内に戻し、自らの免疫でがんを叩きます。既に血液のがんに保険適応となっていますが、効果のある患者には副作用の可能性という課題があります。CAR-Tによって免疫が過剰に活性化され、サイトカインシンドロームという重篤な副作用を招くことがあるのです。免疫は精緻な均衡で成り立っており、それに手を加えたが故の結果といえるでしょう。これに対して慶應義塾大学のグループは、サイトカインシンドロームを引き起こすIL6というサイトカインと、T細胞が長期間生きながらえるための重要なIL7というサイトカイン、両者の受容体を繋ぎ合わせた遺伝子を開発しました。これをCAR-Tに導入することで、IL6を吸着し、細胞内で分解出来る尾ようになるため、副作用の抑制とさらには高い増殖力も両立出来ることになり、複数のがん治療モデルを通じて確認しています。
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