2024-04-03
オプジーボの効果を血液検査で予測
オプジーボの奏効率は、多くのがんで1〜2割と高くありません。
既存の効果測定では精度が低かった
近畿大学と京都大学などの研究グループは、免疫チェックポイント阻害剤「オプジーボ」の効果を血液検査で予測する手法を開発しました。がん細胞は、免疫細胞の攻撃から逃れるため、様々な抑制をかけますが、そのひとつとしてT細胞表面のP免疫チェックポイントに作用し、T細胞が異物を攻撃出来なくします。オプジーボは、免疫チェックポイントのひとつであるPD-1に、がん細胞のPD-L1が結合することを防ぎ、がんによる免疫の抑制を解除することで、免疫を回復させ、患者自身の力でがんを叩きます。しかし、オプジーボが効果があるのは、肺がんなどで1〜2割と高いとはいえまぜん。事前にがん細胞を採取し、PD-L1が陽性かどうかを調べることで、効果を予測する手段はあるものの、あまり精度が高くはありませんでした。そして、この研究では肺がん患者の50人の血液を分析し、PD-1やCTLA-4などの蛋白質の濃度が低い程、オプジーボの効果があることを発見しています。PD-1やCTLA-4は、弱ったT細胞で発現し易く、これらの細胞が壊れて、血中に流れ出しているPD-1やCTLA-4が濃くなるということは、それだけ免疫が低下しており、オプジーボも効きづらいということです。負担の少ない血液検査でオプジーボの効果を予測出来れば、副作用のリスクや医療費の軽減に繋がるでしょう。
関連記事