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2023-10-25

膀胱がんが進行しても、膀胱を温存可能性

標準治療では切れるがんは切るいう考えが一般的でした。

膀胱を切除すると、QOLに影響

膀胱がんが進行して、筋層に浸潤すると、これまでの標準治療では転移に備えて、膀胱を切除することが推奨されてきました。しかし、膀胱を切除すると、尿を排出するために、ストーマと蓄尿バッグを装着することになり、術後のQOLに大きな影響があります。こうした状況下で米国のマウントサイナイなどの研究グループは、化学療法の組み合わせで膀胱を温存することに取り組んできました。治験では76人の筋層に浸潤した膀胱がん患者に、抗がん剤(ゲムシタビンとシスプラチン)、オプジーボを組み合わせた治療を行った結果、33人(43%)ががんが全く検出されない状態になりました。また、このうちの32人は膀胱の切除を行わず、さらにオプジーボの投与を継続したところ、2年後に70%で再発の兆候はありませんでした。化学療法は日々進歩しています。これが新たな標準治療となるかどうかは、さらに検証を長期間続ける必要がありますが、切除してしまった部位は元に戻りません。体の中のがんを効果的に減らす意味で、切れるがんは切ったほうがいいという考え方はありますが、ケースバイケースという時代になるのかもしれません。

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