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2023-10-04

ノーベル賞の対象になったmRNAの研究は、がん治療でも大きな可能性

mRNAで患者ひとりひとりにオーダーメイドのがんワクチンを作ることが出来ます。

mRNAはアミノ酸から蛋白質を合成今年のノーベル生理学医学賞に選ばれたのは、mRNAの研究者であるカタリン・カリコ氏とドリュー・ワイスマン氏です。mRNAは、細胞の核内にあるDNAの情報を転写し、生命の設計図である遺伝子の通りにアミノ酸から蛋白質を合成します。このmRNAを人為的に作って投与し、体内で様々な蛋白質を合成し、抗原として免疫を刺激するのがmRNAワクチンです。mRNAワクチンは、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大で知られるようになりましたが、迅速な実用化が出来た背景には、これまでがんなどのために研究が続けられていたからです。がん治療の主流は、どうやって患者の免疫を回復させ、自身の力でがんを抑え込むかに、舵を切っています。mRNAで患者のがん細胞を分析し、特異的に発現している蛋白質を合成し投与するオーダーメイドワクチンが実用化される日はそう遠くないでしょう。

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