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2023-09-08

Trop-2を標的とする抗体薬物複合体が、乳がんの無憎悪生存期間を延長

抗体医薬品と既存の抗がん剤を組みわせて、がんを叩く抗体薬物複合体が、新たな選択肢になっています。

Trop-2はトリプルネガティブ乳がんの8割以上に発現

がんの新薬として開発されている抗体薬物複合体は、抗体医薬品と低分子の抗がん剤を結合させ、免疫の仕組みでがんを狙い撃ちにします。既にエンハーツが乳がんなどで保険適応になっていますが、同じ仕組みの新薬が次々に開発されています。米国ではトリプルネガティブに乳がんの8割以上に発現するTrop-2を標的とする抗体に、既存の抗がん剤であるイリノテカンを結合させた抗体薬物複合体について、ホルモン受容体陽性かつHER2陰性でホルモン抑制剤に抵抗性の出た再発・切除不能の転移乳がんに対する効果を、抗がん剤(エリブリン、ビノレルビン、ゲムシタビン、カペシタビンのいずれか)と比較した臨床試験が行われました。その結果、無憎悪生存期間を3.2か月延長しています。HER2陰性の乳がんは、ホルモン療法に抵抗性が出ると、今までは抗がん剤しか選択肢がありませんでした。この結果は、新しい可能性を示唆することになるでしょう。また、エンハーツは、HER2を標的にしていますが、HER2陽性に至らない低発現であっても保険適用になりました。

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