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2019-07-09

富士フイルムがCAR-Tの大幅コストダウンに取り組む

キムリアは法外な薬価で話題になりましたが、CAR-Tはいずれ大幅にコストダウン出来るかもしれません。

他人のT細胞は体内で拒絶反応を起こす
国内でも白血病の治療薬として保険適用になったCAR-T「キムリア」ですが、大きな話題になったのは米国で5000万円以上、国内でも3400万円以上という薬価でした。CAR-Tは患者のT細胞に対して遺伝子の改変を行い、がん細胞への攻撃性を高めた上で培養します。患者自身のT細胞を使うため、ひとりひとりのオーダーメイドになり、それが高額になる理由です。細胞再生医療が進化していく中、様々な細胞に分化するiPS細胞に着目し、他人のiPS細胞を使うことで、CAR-Tの大量生産を可能にしようという試みがありますが、高いハードルになっているのは、他人のT細胞を体内に入れると、拒絶反応を起こしてしまうことです。富士フイルムは大手製薬メーカーのバイエルと組み、自社の技術を活かして、iPS細胞から作った誰にでも使えるCAR-Tの開発に取り組むことを発表しました。実現すれば薬価が下がると同時に、患者がオーダーメイドでCAR-Tを作るのを待つ必要がなくなるという大きなメリットがあります。

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