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2023-07-19

エンハーツが中国でHER2低発現の乳がんに対して適応追加


エンハーツは、乳がんに新しい分類を生み出し、標準治療を変えるかもしれません。

HER2陽性には至らない低発現という乳がん

抗体薬物複合体「エンハーツ」は国内外で適応を拡大させています。特に注目すべきは、従来、 乳がんのサブタイプの分類になかったHER2低発現の乳がんに対してでしょう。国内や欧米に続き、今回、中国でも転移・再発で化学療法を受けたHER2低発現の手術不能、または遠隔転移を有する乳がんに対して適応追加となりました。抗体薬物複合体は、抗体医薬品によって低分子の抗がん剤をがん細胞に的確に送り届けられます。エンハーツの場合は、抗HER2抗体を利用しているので、当初はHER2陽性の乳がんにしか適応ではありませんでしたが、その後の治験で従来では陰性となるような低発現でも効果が確認され、適応が拡大となりました。乳がんは、HER2の発現、女性ホルモンの影響で進行するかどうかで、治療が分かれていました。そして、HER2が陰性であれば抗HER2抗体のハーセプチンは使えないので、特に女性ホルモンに関しても陰性のトリプルネガティブの場合、使えるのは抗がん剤だけと、極めて選択肢が限られていました。そんな状況を一変させる可能性があるのがエンハーツであり、HER 2低発現が新たな乳がんのサブタイプとなり、標準治療を変えていくかもしれません。

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