2023-01-11
mRNAワクチンの製薬会社はがんワクチンを開発中
mRNAワクチンは、免疫が異物を攻撃する際の目印を、体内で合成します。
いずれはオーダーメイドワクチンの時代に
新型コロナウイルスの世界的な感染拡大対策としてmRNAワクチンがはじめて実用化されました。私たちの体は、生命を維持したり成長したりする際、DNAを設計図として蛋白質を合成します。その際にDNAを転写し、設計図通りにアミノ酸を集めてくるのがmRNAです。新型コロナウイルスに対しては、mRNAを投与して、抗原となる特徴的な蛋白質を私たちの体内で合成することで、免疫がそれを認識し攻撃するという仕組みです。要するに設計図を変えれば、体内で様々な蛋白質を合成し、それを抗原として免疫に攻撃させることが出来ます。新型コロナウイルスワクチンをmRNAによって開発した大手製薬会社のモデルナとビオンテックは、いずれもその技術を活かして、がんワクチンに取り組んでいます。がんは、免疫が十分に機能しなかった結果、異物であるがん細胞を排除出来なかった結果、大きな腫瘍になってしまう病気です。従って、がん細胞に特徴的な蛋白質をmRNAを使って、体内で合成させることで、免疫はそれを抗原と認識し、がんを叩くようになるのです。一方、がんはひとりひとりが異なる病気です。がんは、個々に異なる遺伝子の変異が積み重なり、細胞が異常な増殖をした結果ともいえます。この遺伝子の変異によって発現する蛋白質を、個々の患者に応じて明らかにし、オーダーメイドでmRNAワクチンを作る時代が、遠からずやってくることでしょう。
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