2023-01-10
KM-CART
がんが末期になると、腹水が大量に溜まり、不快症状が出たり、抗がん剤などの治療の妨げになったりします。腹水を大量に抜くだけでは、患者が消耗し、危険な状態を招くことがあるため、一度抜いた腹水を濾過し、血球やがん細胞、細菌といった不要な成分を除去し、さらに必要な成分を残して濃縮した状態で、再び体内に戻すCARTが1970年代に開発されました。このCARTには欠点が幾つかあり、一度には2〜3lの処理が限度で、2〜3時間はかかり、発熱などの副作用もありました。また、機材が高価で、双非小細胞が複雑なこともあり、なかなか普及しませんでした。これらの欠点を改善したのが、要町病院(東京都)の松崎圭祐医師によるKM-CARTです。汎用の医療機器を使って、大量の腹水を短時間でドレナージし、腹水にストレスを与えないため、発熱などの副作用が軽減されました。
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