2022-06-30
急成長するがん免疫療法の市場
標準治療、特に抗がん剤が進行がんに対しては行き詰まる中、がん治療は免疫という方向に舵を切っています。
免疫治療の多くは、薬価が高騰しがち
アジア最大の市場マーケティング調査会社であるグローバルインフォーメーションによると、世界のがん免疫治療の市場は年々拡大を続けており、2021年に966億ドルに達していますが、2027年には1675億ドルにまで達すると予想されています。がんの免疫治療には抗体の仕組みを利用した分子標的薬、がん細胞に特異的な蛋白質を抗原とするがんワクチン、がん細胞による免疫細胞の抑制を解除する免疫チェックポイント阻害剤などがありますが、特に免疫チェックポイント阻害剤については数年前の製品化以来、オプジーボやキイトルーダが売上の上位を独占している状態です。免疫チェックポイントも抗体医薬品の一種ですが、こうしたバイオ医薬品は、莫大な開発コストが薬価に添加され高騰しがちです。また、患者自身のT細胞からオーダーメイドで培養するCAR-Tも、同様に高い薬価がつけられています。抗がん剤の副作用や進行がんへの限界が周知される中、この傾向はさらに進んでいきそうです。
関連記事