2022-03-30
免疫抑制を打破しなければ、TIL療法には限界がある
がん細胞は生き延びるために様々な手段で免疫を抑制します。
免疫抑制を解除することが鍵
TIL療法は免疫細胞療法の一種で、がんの内部や周辺のT細胞を採取し、それを培養して、再び患者の体内に戻すという手順で行われます。がんの内部や周辺のT細胞は、がん細胞に対して免疫反応を起こしているので、その戦力をアップさせようという考え方です。一見、有効に思えるTIL療法ですが、実際には効果が限定的だといわれています。そもそもがんの内部や周辺のT細胞が十分に機能していれば、がんは縮小するなり消失しているはずです。がん細胞の遺伝子を分析し、こうしたT細胞が反応するタイプであっても、免疫はがんを抑え込んでくれないのです。この理由は、がんによる免疫抑制にあります。がん細胞は生き延びるために、様々な手段で免疫細胞の邪魔をしたり、免疫細胞を眠らせたりします。TIL療法に限らず、多くの免疫療法の課題がそれで、体外でどんなに免疫細胞の数を増やしても、この免疫抑制を解除出来ない限り、がん細胞を存分に攻撃してくれないのです。
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