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2021-08-25

スタチンがトリプルネガティブ乳がんの生存率を改善


ホルモンや分子標的薬が有効でないため、抗がん剤しか化学療法の選択肢がないトリプルネガティブの乳がんは、予後がよくないことで知られています。

本来は血中のコレステロール値を下げる薬

乳がんは、女性ホルモンの影響で進行するか、HER2という蛋白質を発現しているかなどによって、幾つかのタイプに分類され、それぞれに応じた治療が確立されています。女性ホルモンの影響で進行するのであれば、ホルモンの投与が、HER2を発現しているのであれば、ハーセプチンという分子標的薬が有効です。このどちらのタイプにも属さないトリプルネガティブと呼ばれる乳がんは、化学療法としては抗がん剤しか選択肢がなく、予後も悪いことが知られています。一方、本来は血中のコレステロール値を下げる薬であるスタチンは、乳がんの予後を改善することがわかっていましたが、テキサス大学MDアンダーソンがんセンターの研究ではスタチンがトリプルネガティブ乳がんの予後を改善し、診断から12か月以内に投与を開始した場合には、特異的生存率を58%、全生存率を30%と有意に引き上げていることが明らかになりました。

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