2021-08-23
スキルス胃がんの遺伝子変異を特定
発見が遅れがちで厄介ながんであるスキルス胃がんの治療を、ゲノム医療が変えていくかもしれません。
スキルス胃がんの一定数には既存の分子標的薬が有効
スキルス胃がんは胃の粘膜の内側で広がるように進行します。自覚症状がなかなか出ず、進行も早いため、発見した時には治療が困難な場合が多いという厄介ながんです。また、多くの患者が、腹腔内でがんが散らばる腹膜播種を起こしています。国立がん研究センターではこのスキルス胃がんで腹膜播種を起こしている患者を対象に、腹水内のがん細胞を採取して、遺伝子の解析を行ったところ、半数で細胞増殖の重要な制御系である受容体型チロシンキナーゼ-RAS-MAPK経路の遺伝子に高度増幅があることがわかりました。また、その少なくとも半数には既存の分子標的薬が有効であることも明らかになっています。有効な治療のなかったスキルス胃がんの患者にとってひとつの光明となる可能性があります。
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