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2021-06-23

他家間葉系幹細胞移植の治験が進行している意味


再生医療において第三者の細胞を移植することにおいては、厳しい制約があります。

間葉系幹細胞は炎症を緩和

ロート製薬は、新型コロナウイルス感染による重症肺炎患者への他家間葉系幹細胞移植の第2相治験を開始しました。新型コロナウイルスの陽性者は、2割が重症化し、免疫反応が過剰になるサイトカインストームによって危険な状態に陥りますが、間葉系幹細胞の投与によって様々なプロセスで炎症を緩和することが明らかになっており、有効な治療になることが期待されています。

他人の細胞を移植することはリスクがある

現在、がん治療で行われている免疫細胞療法は第三種再生医療、アンチエイジングや慢性疼痛治療で行われている幹細胞移植は第二種再生医療で、いずれも患者自身の細胞を採取し培養します。これに対してこの治験は第一種再生医療に分類され、第三者の細胞を使用します。他人の細胞を体内に入れる場合、様々なリスクが考えられ、実施には高い制約が設けられています。しかし、予め他人の細胞で培養しておけば、健常者の質のよい細胞で培養し準備しておけば、緊急性のある患者に対して迅速な治療を行うことが出来ます。新型コロナウイルスの感染拡大下という有難くない状況ではありますが、これが真っ当な第一種再生医療の開発が進むきっかけになることを期待したいところです。

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