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2021-05-28

古典的な抗うつ剤がオプジーボやキイトルーダの効果を底上げ


化学的な根拠で作用する薬は、状況によっては別の使い方が出来ます。

精神疾患に関与する物質を阻害する

MAO(モノアミン酸化酵素)は、ドーパミンやセロトニンといった気分を向上させる物質を分解し、様々な精神疾患や神経疾患に関与している物質です。MAOには2つの種類があり、そのうちのMAO-Aの働きを阻害するフェルネジンは、古典的な抗うつ剤です。実は、このMAO-Aは、がん細胞を攻撃するT細胞の表面に発現しており、これを阻害することで、T細胞の抗腫瘍効果を改善出来ることがわかりました。T細胞表面のPD-1にがん細胞はPD-L1を結合させ、T細胞の働きを抑制しますが、この抑制を解除するのが、抗PD-1抗体「オプジーボ」「キイトルーダ」といった免疫チェックポイント阻害剤です。T細胞はがん細胞を攻撃する際に、セロトニンを作って、免疫を底上げするのですが、MAO-Aはこのセロトニンを分解します。フェルネジンはMAO-Aの働きを阻害するので、抗PD-1抗体の併用で一層の抗腫瘍効果が期待出来るというわけです。

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