2021-03-08
「光免疫療法」が乱立する困った状況
保険診療で光免疫療法が受けられるようになったことで、まるで便乗しているかのような似て全く非なる治療が乱立しています。
光免疫療法が受けられるのは3か所
光免疫療法が保険適用になり、千葉の国立がん研究センター東病院、東京の東京医科大学病院、愛知の愛知県がんセンター病院で受けられるようになりました。抗体と光に反応する色素を組み合わせ、がんを狙い撃つ斬新な作用機序と、日本人(小林久隆医師)が開発し、楽天グループが投資したことで話題になった光免疫療法は、今後、治療の出来る医療機関を増やしていく方向ですが、現状ではこの3か所でしか受けられないのです。
似て全く非なる「光免疫療法」
しかし、インターネットで検索してみると、「光免疫療法」を受けられる医療機関は、それ以外に幾つもあります。こちらは自由診療ですが、保険適用となっている頭頚部がん以外のがんも対象になっています。残念ながら適用外の患者は費用をかけてでも受けたくなりますが、これらの「光免疫療法」は全く異なる治療であることを知っておいたほうがいいでしょう。光に反応する成分を、何らかの手段でがん細胞に送り込み、その後に光を当てることで、がん細胞を破壊するとうたっていますが、ほぼエビデンスはないに等しいのが現実です。どうやら「光免疫療法」という言葉には商標などの登録がないようで、似て全く非なる治療であっても、まるで保険適用に便乗したかのような宣伝が許される困った状況になっています。
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