2021-01-22
陽子線のほうが従来の放射線よりも咽頭がん治療の副作用が少ない
咽頭の周辺は重要な組織や器官が多く、咽頭がんの治療においては機能を維持し、QOLを低下させないことが、大きな課題になります。
咽頭がんに対しては陽子線でも副作用が出易い
咽頭がんは、患部の周辺に重要な組織や器官が多く、放射線は、手術よりも侵襲が小さく、副作用も少ないとされています。しかし、全く副作用がないとはいえず、患部の周辺にも影響は及び、嚥下や味覚に何らかの障害が出る患者は少なくありません。これは従来の放射線よりもピンポイントで患部に照射出来る陽子線においても同様でした。
陽子線のメリットを活かせる装置を開発
そこで、北海道大学のグループは、任意の場所で線量を最大に出来る陽子線のメリットを活かすために、コンピュータ制御で複数の方向から線量を変えて照射する装置を開発しました。この装置を使った場合と、従来の放射線を照射した場合を比較したところ、線量においても、患者が実際に感じた嚥下や味覚に影響する副作用も少なくなっていることがわかりました。咽頭がんにおいては陽子線はまだ保険適用になっていませんが、こうした研究を裏付けに将来的な拡大を期待したいところです。
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