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2020-03-25

抗体薬物複合体「エンハーツ」が国内で承認

抗体医薬品と従来の抗がん剤の短所を補い合うのが抗体薬物複合体の特長です。

難治性の乳がんに対して承認
第一三共が開発したがん治療薬「エンハーツ」が日本国内での製造販売承認を取得しました。エンハーツは、抗体医薬品「ハーセプチン」、抗がん剤「デルクステカン」という既存の薬を結合させた抗体薬物複合体です。既存の抗がん剤の難点は、何といっても正常細胞まで攻撃することでつらい副作用があることでした。また、がんを克服する鍵である免疫細胞の数も減らしてしまいます。

これに対して近年、がんの新薬の腫瘤となっている抗体医薬品は、がん細胞に特異的に発現する分子を目印に作用し、がん細胞の増殖を抑制します。既存の抗がん剤のような強い効き方はしませんが、副作用は穏やかです。抗体薬物複合体は、抗体医薬品によって抗がん剤をがん細胞に効率よく送り込むことで、既存の抗がん剤の副作用を軽減しています。まずは難治性の乳がんを対象に承認されましたが、胃がんや大腸がんなど様々ながんを対象に治験が行われており、それぞれでの承認を目指しています。

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