2020-01-20
手術ロボット「ダ・ヴィンチ」の技術が特許切れに
人間よりも精密な作業が可能な手術ロボット「ダ・ヴィンチ」。そこには数多くの特許が関わっており、競合の参入を困難にしていました。
価格が下がって、普及が進むか
数年前、放映された医療ドラマの一場面では手術ロボットで困難な手術を行う外科医の姿が描かれました。これは空想の世界の話ではなく、現実に手術ロボットは人間よりも精密な作業が可能であり、熟練の外科医でも困難な手術を可能にしたり、侵襲の少ない患者に優しい手術を実現しています。問題は導入に3億円、維持に年間数千万円といわれる価格で、手術ロボットを使いこなせる外科医の育成が少ない一因にもなっていました。
この手術ロボットの分野で事実上、市場を独占しているのは、米国のインテュイティブサージカルのダ・ヴィンチですが、軍事技術をベースに開発されたこの手術ロボットには、数多くの特許が関わっており、それが競合の参入を難しくしていました。しかし、2019年、その特許が切れるタイミングを迎え、国内外の様々な企業が開発を進めています。ここ数年で急速に発展したAIを利用し、従来の手術ロボットよりも高機能な製品が期待出来そうです、また、競争の原理が働くことで、価格が下げられれば、より多くの医療機関に導入され、より多くの患者に恩恵があることでしょう。
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