2019-10-16
サリドマイドの薬害の仕組みが解明される
かつて薬害を引き起こし、大きな社会問題にまでなったサリドマイドですが、その後の研究の結果、血液のがんの治療薬として承認され使用されています。
手足や耳を形成する遺伝子を破壊
サリドマイドは1950年代に深刻な薬害を引き起こしました。妊婦が睡眠薬として服用した結果、子供の手足や耳の形に異常が起きたのです。実はサリドマイドはその後の研究で血液のがん(多発性骨髄腫)への効果が確認され、2008年には再度承認されています。しかし、かつての薬害の仕組みが解明されず、これを基にした新薬開発の課題になっていました。東京医科大学などのグループは、サリドマイドがセレブ論という蛋白質と結合し、手足や耳の形成に関わるp63という遺伝子を破壊してしまうことを突き止めました。また、p63を操作することで、サリドマイドの悪影響を抑えられることも確認しています。これによってサリドマイドを基にした新薬の開発が出来るのではないかと注目されています。
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