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2019-08-20

切らないほうがいいがん

標準治療においては手術可能ながんは手術するのが第一の選択肢です。

手術にはリスクや後遺症がある
標準治療では手術が可能な場合には、それが一番の選択肢になります。手術は、がんを効率よく取り除く手段だからです。また、我が国の医療が外科主導であったという背景も影響しているでしょう。標準治療では手術をした場合、それ以外の治療を行った場合の生存率が、数字として蓄積されています。普通に考えれば、生存率の高い治療を選びたくなりますが、忘れてはいけないのは手術のリスクや後遺症を考慮することです。大きな手術になれば、手術自体で事故が起こる可能性は高まります。また、患者の体力がなければ、手術で消耗したり、合併症を起こしたりすることも考えられます。さらに、手術によって失われた部位は元には戻りません。胃を全摘すれば、食事に不都合が出ます。喉頭がんで声帯を切除すると、声が出なくなります。

手術と生存率が大差ない化学放射線療法
例えば食道がんの場合、抗がん剤と放射線を併用する化学放射線療法は、生存率において手術と抗がん剤と併用した場合と、大きな差はありません。食道がんの手術は胸部を大きく切開するため、患者の負担が大きく、それだけリスクも高まります。後遺症として嚥下がスムーズでなくなる恐れもあります。生存率が高いという理由だけで、手術を選択するのではなく、リスクやその後のQOLも考慮して、治療を考えるべきでしょう。

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