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2019-08-06

放射線治療の効果を身近な薬剤で増大させるコータック

オキシドールとヒアルロン酸で放射線治療の効果が3倍になる治療法があります。

ステージ4や末期のがんが劇的に回復した例も
オキシドールとヒアルロン酸、この身近な薬剤で放射線によるがん治療の効果を増大させる方法があります。このふたつをがんに注入してから、放射線を照射するコータックを開発した高知大学名誉教授の小川恭弘医師によると、既に症例は、1,000を超え、様々ながんで効果を確認しており、中にはステージ4や末期から劇的な回復を見せた例もあるそうです。また、コータック自体は保険適用はされていませんが、オキシドールとヒアルロン酸という廉価な薬剤しか使わないため、一般的ながんの自由診療よりは費用の負担が少ないというメリットもあります。

オキシドールが放射線の攻撃力を上げる
放射線をがんに照射すると、放射線ががん細胞のDNAを直接変化させると同時に、水分子を活性酸素に変化させ、その活性酸素ががん細胞のDNAを変化させます。ところが、がんが大きくなると、活性酸素を中和する抗酸化物質が増え、放射線が効きにくくなるのです。オキシドールは活性酸素である過酸化水素を発生させるので、抗酸化物質はその中和にによって失活させられます。ヒアルロン酸はオキシドールを注入する際の痛みの緩和に用いられます。

小川氏はコータックによって放射線の効果は3倍になるとコメントしています。コータックは残念ながら保険適用になっておらず、また国内で受けられるのは、名古屋市立大学など限られた医療機関になります。しかし、英国では既に臨床試験が進められており、国内でも2022年頃の承認を目指しています。

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