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2019-06-14

膵臓がんの治験費用をクラウドファンディングで調達

新しい治療の研究・開発を取り巻く環境はどんどん厳しくなっています。

既存の抗がん剤の併用で腹膜転移した膵臓がんに効果
膵臓がんは、初期では自覚症状があまりないため、どうしても発見が遅れがちで、発見された時には既に進行していることが多くなります。また、浸潤や転移も早く、がんの中でも極めて生存率が低いことが知られています。膵臓がんが腹膜に転移すると、腹水が溜まり、痛みも出やすくなります。このようながんに対して関西医科大学は既存の抗がん剤であるS-1とパクリタキセルを併用する治験を行ってきました。この治療は既に胃がんでは保険適用になっており、膵臓がんの腹膜転移においても第1相、第2層相の治験では延命などの効果が確認されています。

製薬会社は新薬にしか積極的に投資しない
ところが、大規模に有効性を検証する第3相の治験は、国からの補助金や製薬会社からの支援がないため、実施出来ないでいました。製薬会社にしてみれば既存の医薬品で適応が拡大されても、大きなリターンが望めないので、治験への投資は消極的になります。そこで、関西大学では6月10日よりクラウドファンディングでこの治験のための費用を募っています。大学など研究機関への費用がどんどん削られていく中、こうした取り組みは今後、増えていくのではないでしょうか。

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