2019-05-17
水虫治療薬が胆道がんの細胞増殖を抑制
胆道がんは発見された時には進行していることが多く、化学療法においてもこれといった決め手がない厄介ながんです。
がん細胞の性質を維持したまま、体外で培養可能に
胆道がんは、明確なバイオマーカーがないため、早期発見が難しいがんです。手術が出来ない場合、抗がん剤の効果もあまり高いとはいえません。そんな中、組織幹細胞やがん幹細胞を3次元培養し、組織や腫瘍を培養環境の中で再現するオルガノイド培養技術が確立され、胆道がんの腫瘍を性質を維持したまま、体外で長期間培養しておくことが可能になりました。これによって胆道がんの細胞の遺伝子を解析した結果、SOX2、KLK6、CPB2の遺伝子をバイオマーカーとして特定出来ました。また、慶應義塾大学のグループが様々な薬物でスクリーニングを行った結果、水虫などの治療薬として使われるアモロルフィンとフェンチコゾナールが、増殖を抑制することがわかりました。既に製品として長く使われており、安全性等の検証は済んでいるため、今後の転用が期待されています。
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